朝8時になっても空が全く明るくならないのにはびっくり。いつもこうなのか、それとも異常気象の影響で、あまり雪の降らないロンドンも大雪に見舞われてるからなのかな。英語は思ってたより全然しゃべれなくて(&聞き取れなくて)かなりショックを受けました…がーーん。:-O ロンドン訛りのせいもあるみたい。中井さんによると「a」を「エー」と発音しないで「アイ」と言ったり、「h」を発音しなかったりするそうで、差し詰め「さしすせそ」がうまく言えない江戸っ子訛りに似てるんだとか。大学でアメリカ英語を習って英会話に不自由のない知人が、昨年ロンドンに行ってきた時に「イギリス英語がやっと聞き取れてきたなぁって頃に帰国だった」と笑ってた。その時は「そんなことあるのかなぁ」と思ったんだけれど、実際に訪れてみて納得しました。ここまでとは…。ロンドンが一番都会なのにそこでこの訛りって、じゃあ私の知ってる英語はいったいどこで誰がしゃべってるのさ〜と密かに泣く(笑)。でもみんな気を付ければしゃべれるのかな?ライブの時、ダンが友達に「こずえは訛り正せばちょっとヒアリングできるんで標準英語でしゃべってあげて」って言ってくれて、ちょっとコミュニケーションが取れました。あれかな、青森出身の方と仙台でお会いした時に、一緒に標準語で談笑してたら「あ、母からだ。ちょっとごめんなさいね」と電話に出た途端に私には聞き取れない方言で話し出して面食らった思い出があるのだけど…そういうことなのか。方言とか、私は温かみがあって好きだけど、通じないとなるとやっぱり困るなぁ。
朝、ホテルのブッフェで無愛想に大皿にかかってるカバーを外してくれたシェフに、おかわりをしに行った時に「マッシュルームがすごく美味しい!」と言ってみたら、にこっといい顔で笑ってくれた。昨日、イギリス人てどの人も無愛想だな〜まぁ確かに会った瞬間「イエー!!(ハイタッチ)」みたいなお国柄ではないけども。と思っていたんだけど、その前に自分が心を開けてたのかどうか。と自分に問う。想像してたよりも聞き取れないことで萎縮してたんじゃないかと。で、今日は「変なエーゴ」と思われてもいいからとにかくしゃべってみよう!と色々話しかけてみることに決めました。その日の夜にお風呂浸かりながら、カタコトで一生懸命しゃべってた自分はこの国の人にはいったいどんな風に映っただろう…と考えてしまったんだけど、なんか多分、日本の感覚で言うとビビアン・スーみたいに思われてたんじゃないかと。や、あの、よく例えすぎなのは分かってるんだけどね(笑)多分そんなイメージだったと思うんです。たいしてしゃべれないくせにお構い無しに、果敢に愛嬌だけで突っ込んでくるなぁこいつ、とな。(ビビアン・スーさんに失礼だったらすみません…)そう、私から愛嬌を獲ったら何も残らないのだ。なんて信じたくはないけども(笑)。
でも、世界は(世の中は)本当に一生懸命な人をきっと切り捨てはしないんじゃないかな。「あんためんどくさいから売らないよ」とか「何言ってるか分かんないからあっち行って」と、今のところ私は言われたことがないです。一生懸命伝えようとすると、相手も一生懸命聞いたり理解しようとしてくれる。で、不思議と伝わるし。中学ん時(ホームステイ)もこうだったな…とぼんやり思い出しました。あんなに飛行機に乗ったのに実はあんまり遠い異国に来た感じがしてなかったんですが、こういうこと感じてるだけでも十分異国に来た感をバリバリ感じてるじゃないか、と気付く。観光地を観ることだけが目的じゃなくて、むしろ人と交流することに楽しさを見出だす質だろう私は。って気付いたら、コッツウォルズに向かうバスの中で急にぐわぁーーっと楽しくなってきました:-) もちろん1人だから誰かにこの思いを伝えることもなく、ただご機嫌な表情を浮かべるだけですが(笑)。

この日はツアーでコッツウォルズの村々に行ってきました。高速道を走るマイクロバスの車窓から広大な雪景色が見える。こんなに一面真っ白な景色を久し振りに見たなぁ。寒さ対策なんだろうけど、馬がみんななんか着とるよ。可愛い。
あ、そうだ。バスの運転手さん(仮にビッグさんとしておきます)の運転がスーパー危なくてびびる(笑)。表情も変わらない人だったのでちょっと怖いなと思ってたんだけど、2つめの村に向かう頃には穏やかな運転になってきて、相変わらず表情は変わらないんだけども「左手に鹿がいるぞ」と教えてくれたり口笛まで吹き出したり。日本人をおしなべて語れないようにイギリス人をひとくくりにできないのは分かってるけど、概して人見知りな国民性なのかな。この段階で会ってきた人たちに言えるのは、少し慣れればみんな温かい。第一印象がよくないだけに、笑ってくれた時が何倍も嬉しいよ。後で知ったことだけど、ビッグさんは元海軍だそうで妙に納得。早朝出発だと雇用時間の問題で夕方頃に運転手さんが替わるので、一度バスを降りるんですが、その時に振り返ってビッグさんに「Thank you,bye!」と笑顔で言ったら、ちょっとびっくりしながら「Yeah(ヤ)」と短く言って頷いてた。翌日ぽつりと「自分は感情を顔に出すのが苦手なだけなんだ」と話してくれました。
カッスルクーム、バイブリーと来て、3つめの村バートン・オン・ザ・ウォーターのパブでお昼です。このパブのご主人がとても陽気で、逐一「Thank you」と言ってくれるのが、その言い方も含めてとても気持ちがいい。メニューはコテージパイとアイスクリームで、私は追加で紅茶を頼みました。ここのアールグレイの紅茶が一番、丁寧に淹れられた感じで美味しかったなー。その紅茶のお勘定の時にご主人が「ラララ〜♪」と歌い出すから楽しくなって一緒に「ラララ〜♪」と歌ったら気に入ってくれたようで、おつりを受けとる私の手を少しだけキュッと握って「良い旅を」と言ってくれたので、「あなたとあなたの紅茶のおかげで良い旅になりそうです。ありがとう」と言いました。それがなんだかとても嬉しかったし、楽しい会話が成立したので小さな勇気になって、その後も愛嬌だけで(笑)色々な方とちょこちょこ言葉を交わしてみました。
その後はシェイクスピアの生まれ故郷のストラトフォード・アポン・エイボンを散策してホテルに戻りました。無知すぎた頃、この地名とギターのストラトが何か関係あるのかなと思ってたんですが、全く関係ないみたいですね(笑)。あとこの街の至るところに、日本の酒林みたいな丸っこいのが下がってました。丸い物に異様に惹かれるんです私(笑)。あれは何だったんだろ?後で調べてみよ。
遠くの会話も無意識に聞き取ろうとしてるみたいですごく疲れるんだけど、疲労感が心地よく感じるくらい心が満たされてる。この日も気持ちよくぐっすり眠りました。あっそうだ。私は普段から夜型気味なので、イギリスでは時差ボケもなくいい具合に早寝早起きの人になれました(笑)。23時に寝て5時に起きてました。

【小噺(こばなし)・メモ】
◆朝食の話を出したけど、私はほぼこの、バター焼きの丸ごとビッグマッシュルームと、丸ごとの焼きトマトで生きていた(笑)。美味しかったなー。
◆枕銭(チップ)を失敗する女。部屋を掃除してくれる人に感謝の気持ちとして、50ペンス枕のとこに置いとくんだけど、枕の上じゃなくてナイトテーブルのとこに置いといたうえ、お財布の中に50ペンスがなくて1ポンド(50ペンスの倍)だったせいもあってか、もらっていいもんか困らせちゃったみたいだ。夕食の席で中井さんと音楽や歴史や哲学の話で盛り上がってホテル内のパブで一杯だけ飲んで語り合ってきたんだけど、「おやすみなさーい」と部屋に消えた直後に枕銭がそのまま残ってるのを発見して「えーー!!もらってくれよ!」とうろたえ、すぐ部屋から出て「な、中井さん…枕銭ってどこに置くのが正解なんですか!?」と。掃除してくれた人に申し訳ないことしちゃったなぁとちょっとへこむ。
◆イギリスの法則(?)→「何でも3回やってみてから言わないと恥をかく」。1回目ではイギリスの(特に家電)ものは作動しないようだよ。電気ポットもトイレも部屋の鍵も、3回くらいトライしてから「使えないんですが…」と言わないと「使えるじゃん」と恥をかくことになる(笑)。部屋の鍵でやっちまいました。学んだので他は1人でがんばった。